5月1日 上海‐広東 於 上海

 
広東 103 0
上海 002

 4回裏から観戦しました。その事情は別稿にゆずるとしてここでは試合のことを述べてまいります。

 

 4回を終えて4−2で広東が2点のリード。2位の広東と最下位に沈む上海
の対戦だが、2点差はまだまだワンチャンス…のはずが…

 

 おそろしいことがおこりました。5回表広東の攻撃。

 

 トップの劉広標からの攻撃。1−2からの4球目はショートの左へ。ショートが追いついたかに
見えたが、打球をジャッグル。送球できずにランナー一塁。

 

 

 続く2番の打球は右中間へ。ライトがおさえ、単打にとどめたか
と思いきやセカンドへの送球が悪送球、一塁走者は一気に生還、
打者走者も三塁に達してしまった。

 【広東5−2上海】

 3番。高めカーブで2−1とした4球目がパスボール。三塁走者 が生還。

 【広東6−2上海】

 しかしここでふんばり低めのストレートで見逃し三振。この
ピッチングがつづけばよかったのだが…。
 出ました、ドミニカカープアカデミーからやってきた大砲。いか
にも飛ばし屋の雰囲気をただよわせ…。

 

  それでもストレートで果敢に勝負に出る。ボール2つをはさんで
 4本のファール。それにしても打球の勢いがほかとは違う。
  ストレートだけでなくカーブもカットされ、投げる球がなくなっ
 たところで低めに投げたストレートはワンバウンド、つぎのカーブ
 もワンバウンド。萎縮したようにも見える、迫力負けのフォアボー
 ル。

 5番打者は追い込まれ、セカンドゴロ。ダブルプレーなら3アウト…なのにセカンドの
送球はベースカバーのショートをおおきくそれ、レフトへ。チェンジどころか一死一二塁。

 と、ここで監督がベンチを出る…なんでやねん!確かにフォアボールは出したけどいま
のはピッチャーはなんにもしてへんやないか!!!

    …と…違いました。
  いまのセカンドをひっこめたのでした。信賞必罰(←なんかちがう)。

  ところが…「事実は小説より…」ということばもございますが(←こ
 れもなんかちがう)、つづく6番打者は初球を打ちまたセカンドへ。
 日本の草野球じゃよく「打球は代わった直後のポジションに飛ぶ」と
 言いますね…。

  そしてまた「事実は小説より…」(そうなのか?)、二塁封殺が間に
 あわないとみるや一塁へ送球…のはずがなんとこれがまたそれ、カバ
 ーリングに入った捕手があわてて追う…。その間にセカンドランナー
 ホームイン、ファーストランナーも三塁へ。一三塁。
  せっかくセカンド代えたのに…!!とは言わないほうがいいけど、急
 な出場で準備ができてなかったのかな?しかも初球だもんね。

    【広東7−2上海】

 ああ、徐々に差が広がる…。こういうとき投手は(捕手もね)やりきれない…。かと言って文句
も言えない(言う人もいるけどね)

 

 7番にはストライクが入らず3ボール
になったところでキャッチャーが立ちあ
がり塁をうめて満塁とする。それでゲッ
ツーがとれるならいいんだけどここまで
の守備のあたふたぶりを見ているとと
めどなく不安…

               満塁です! ⇒

 こうして見るときれいな球場ですよね。
 外野スタンドがないけど、メジャーにも
外野スタンドのないところはあるし…。
 閑話休題

 8番打者。まずカーブでストライク。2球目をたたきつけた打球はピッチャーの右前方
への高いバウンド。その間に三塁ランナーホームイン。打者走者は一塁でなんとかアウト。2アウト。

    【広東8−2上海】

 9番はカーブをふたつつづけて追いこんだあと(カーブには自信があるらしい。実際ストライク
ゾーンにきまるため、カウントをとるには有効だった)、ストレートを一球(ファール)。4球目、
ピッチャー右へ、ピッチャーがはじく。はじいて打球方向がかわり、ショートは逆をつかれたが、
身をひねってこれをよくさばいた。しかし一塁に送るも間に合わない。さらに一点、一三塁。

    【広東9−2上海】

 試練は続く。一巡して1番。ファールのあとの2球目はグリップエンドに…見えたが、判定は死
球。またしても満塁。

 が、ここはふんばった。2番は初球を打ち上げて右中間へのフライ。かなりおおきなあたりとも
見えたが、意外に伸びずにセンターが前進してとり、ようやく長い攻撃が終わった。
 まともなヒットは1本しか打たれていない。あとはエラーやら四球やら…。なんともはや…。

5回裏上海

 もちろんここは一気に7点は無理でも1点でも2点でもとりかえしたいところ。
 

 しかし、

 広東隊の金髪ピッチャー(あとから聞いたら韓国人投手なのだそうです)。

 これがよい投手でした。おそらくこの試合で投げた投手のなかで
いちばんといってよいでしょう。

 先頭打者には右中間をやぶるツーベースをゆるしたものの、つづく9番は
カウント2−1からセンターフライ。

 

 そしてこのあとが圧巻でした。
 1番はセーフティバントのかまえで投手をゆさぶるが(このとき「7点差1アウトでバントいらんぞ!」とさけんで
いたのはわたしです(^^;。
 しかしバントは成功せず(ファール)。途中キャッチャーが後逸してセカンドにランナーが進んだものの最後は外いっ
ぱいにストレートをきめ、見逃し三振。
 2番打者はストレートで見逃しストライクのあと、高めのカーブで空振り、3球勝負は低めのカーブ(スライダーかも)
で見逃し三振。球速もあり、コントロールもよく、変化球もある。これは難儀しそう。

 5回終わってのグラウンド整備。

 

 高校野球地方大会の開催されそうな球場。わたしは好きです。やっぱり天然芝はきれいだね。

 

 

 

 しかし観客が少ない…残念なことに…。

 

 

 

 

 

 

 6回表

 悪夢を見てしまった5回。ふたたび悪夢におそわれてしまうのか…?

 しかしこの回ばかりは杞憂に終わった。
 先頭打者にこそ三遊間をやぶるヒットを打たれたものの、つづくドミニカの
大砲をなんとショートゴロ併殺打にうちとる。二本打たれたファールはいずれもバックネット
方向へのするどい打球。しかし5回のように萎縮することはなかった。5番王
愛平もバックネット裏へのファール(このファールボールをひろったのがわたしです^^;)の
あとファーストファールフライ。守備陣もこの回はノーエラーでささえた。野球らしくなって
きました。

 6回裏  しかし広東隊韓国人金髪投手もそう簡単には打たせちゃくれない。相変わらず好投をつづける。

 3番李鵬は2−2からカーブを強打、ライナーとなるがピッチャー正面。ピッチャーこれを
はじいたものの、そのあと落ち着いて一塁へ投げて1アウト。
 4番瞿巍峰はおなじく2−2から空振り三振。
 5番毛迪も2−2から打ってセカンドフライ。

 カーブとストレートの組み合わせもよいし、高めと低めをおりまぜて打者に的をしぼらせない。

 

 7回表、上海はピッチャーを交代(→陳海峰)。
 ふんばりました。下位打線(6、7、8番)とはいえ、三者凡退。これで2イニング連続。

 7回裏上海。ここで一点でもとればまだ流れがもどる可能性は…。
 先頭陳g、1−2から「そんなの打たんでも…」というほどの低めのカーブに手を出して
ファーストフライ。思わず手を出してしまうような球なのか、それともバッターから見ると
ストライクゾーンに入ってきそうなボールが一気にボールに落ちていくように見えるほどき
れているのでしょうか。
 7番李良も1−1から打って出るも打球はサードへ…これをサードがエラー。ようやくラ
ンナーが出た。ワンアウト一塁。
 8番林shen*はカーブに手が出てしまい空振り三振。しかし9番魏宗海を四球で歩かせてしま
う。一二塁。打順は一番にもどって張玉峰……またとないチャンス。

 その張の1−1のあとの打球は高いバウンドとなってマウンドの右前方へ。投手がマウンド
を駆けおり、送球と打者走者との競争の末間一髪…というところかと思われたが、実際にはま
だいくぶん余裕を残しての一塁封殺。この投手、フィールディングもただものではない。

 8回表
 

 上海はまたピッチャーを交代。左腕・黄俊がマウンドにあがる。

 このピッチャー、球がえらく遅く見えたので(実際そうなのだろ
うが)、「おいおいだいじょぶかいな」と思わなくもなかったのだ
が、それが逆に功を奏したのか(?)、ファーストフライ、レフト
フライ、セカンドゴロと三人でこの回を締めた。ボールが先行する
ピッチングで、とてもよいとは言えないと思うのだが、つい手が出
てしまう、「打てそうなのでついつい打ってしまう」ボールなので
しょうか。
  

 

 

 

  この回も守備はノーエラー。ほん
 とうに「あの回」だけでした。

 

 

 

 

 

 8回裏、広東も投手交代。写真ではわかりづらいが右サイドスローです。
 

 2番からの攻撃。まず代打で登場の楊敏(左打)はサードファールフライ。

  3番李鵬の当たりはセカンドの右へ。これが内野安打となり、ワンアウト一
 塁で4番瞿巍峰(背番号21)にまわる。
  

 初球ストライク後の2球目を捕手が後逸。李鵬は二塁へ。
 瞿巍峰は次の球を打ち上げてライトフライ。しかしここで李鵬が三塁へタッチ
アップ。ツーアウトながらランナー三塁とチャンスは残った。
 

 そして5番毛迪が三遊間を破るタイムリーヒット!
ようやく1点を返した。しかし……、遅きに失した
か……?
 (右は次打者陳g・背番号10)

    【広東9−3上海】

 

 陳gはファーストフライにたおれ、結局この一点に
とどまった。

 

  9回表
 先頭3番林暁帆はフルカウントの末四球。
 ところがここで怖い怖い4番のドミニカン・Esterlinがなんとサードゴロ(いや、
それでも打球は十分強烈でした)。5−4−3のダブルプレー。

  

 広東はここで5番王のところで代打(劉。すみません、名前わからない。背番号13 ↑)。

 この劉某はカーブで簡単に追いこまれ、一球ファールのあとピッチャーゴロ。この回は
無得点に終わった。

  9回裏
  

  「おまえらちったあ意地見せえよ!」…
 と言ってるのではないと思うけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 7番李良からの攻撃。0−2から当てただけのバッティングでファーストゴロ。
  

 林?は空振りの三振。あっという間にツーアウト。
 

 

 

 

 

 

 

 9番の魏宗海。
    
 セカンドの左をすりぬけ、ライトへ抜けるヒット。
 1番にかえって張玉峰もセンター前ヒット。ツーアウト一二塁。

   

 

 

 ここでコーチがマウンド
へ行き、いったん間をおい
て……。

 

 

 

 

 

 2番楊敏があっさりセカンドゴロにたおれ、ゲームセット。


          
               R
広東 103 050 000 9
上海 002 000 010 3

 

   

 「また負けた…」
 ミーティング終了後、荷物をまとめる
上海隊の面々。この球場はベンチ裏から
通路を通るとすぐ出口。ロッカールーム
なんて気のきいたものはないので、ベン
チ前でミーティングをやったあと(この
ミーティングのようすもなかなかおもし
ろいのでいずれ折をみて申しあげましょ
う)、即各自荷物を持って出口に待機し
ているバスに乗り込む。サインをもらう
ならこのタイミングなんですが、この日
はなんとベンチ、グラウンドまで入って
しまいました。それでなんのおとがめも
なし。それどころかサインも写真も応じ
てくれました。日本だったら負け試合の
後は特に「ジャマだ、どけどけ」とか言
う選手なんてごろごろいそうですね。特
にマスコミに守られてる横柄な選手が多
いところは。

 

 

 試合を通して感じたことは「チームとしての完成度」の違い。平均的には日本の大学野球
ほどのレベルだと思うのだが、個々の選手に目を転じれば身体能力が高い選手はいくらもい
る。それが全体だと大学野球になってしまうのは、野球はチームでやるものだということを
しみじみと感じさせる。私はなにも「ノーアウトかワンアウトでランナーが出たら必ずバン
トせよ」と言っているのではありません(笑)。そんなのはばかげている。状況もなにも無
視してただバントすればなにか高等な作戦をとっているように錯覚するのは単なる責任のが
れだし、それに「自己犠牲の精神」などというフタをかぶせるのはますますもってアホらし
い。一方、「ランナーが出ても絶対にバントはしない」というのもまともではない。バント
は作戦の一部で、用いたり用いなかったりするのがあたりまえであり、必要以上に持ち上げ
たりおとしめたりすること自体が異常なのです。
 閑話休題。「チームとして」などと言ってもなにも難しいことを言うんじゃない。野手の
あいだに打球が飛んだらどちらがとるか声を出して確認するとか、当人以外のよく見える野
手が指示を出してやるとか、球をとったら誰に送球するとか、誰がカバーに入るとか…信じ
られないエラーがぽろぽろ出るのは、そりゃ技術の問題もあろうけれど、なにをどこまです
るのが自分の役割かがはっきりしないせいで落ち着いてプレーできないのもあるんじゃない
のか。エラーしたからってすぐ選手を交代するのも考えものだし。特にそういうミスが上海
チームには多かった、というのが大きかったんじゃないでしょうか。たまたま勝てなかった、
というよりは、「う〜ん、これじゃ勝てないよ」という感じでした。
 しかし、応援のしがいがありますね、こういうチーム。私はながらく弱いチームで野球を
やってきたし、弱いチームを応援し続けてきているから、そういう快感、好きなのです。

おまけ
 試合が午前にうつったため、午後はグラウンドを開放して上海の主に大学野球のチーム
の選手を中心とした野球好きのみなさんに野球をやらせてくれていました。こういうサー
ビスはたいへんいい。野球を「見る」ファンがすくない(マイナースポーツというのはえ
てしてそうなのでしょう。試合中にスタンドにいた人より、試合終了直前にこのイベント
に参加しに来た人のほうが圧倒的に多かった^^;)のだから、せめて野球を「する」人を
楽しませてやろうというのは当然のなりゆきだし、それで野球人口が拡大すれば将来的に
はファンもふえるかもしれませんからね。実際近所の子供なんかもグラウンドに降りてき
て遊んでいましたし、交流もしました。プロと交流、とまではいかなくても、楽しい思い
出にはなったんじゃないでしょうか。いまの日本に不足してるのはこういう草の根の努力
じゃないのかなあ、と実感いたしました。

 

 みんなでとった記念写真。ところどころにプロがいますね…。
 

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